バイオリン

MBTIやエニアグラムに関する哲学的な考察及び、日々考えたことについて

MBTIの哲学的基礎づけ(7)知覚機能⑤

 前回までの知覚機能④までで知覚機能のすべてを説明してきました。ここでNiSeとNeSiの双方に絞って記述していきたいと思います。まずNiSeとNeSiのようにセットになり、それがある種の世界認識を形作ることは直観的には世界を空間的にみるか、時間的に見るかのどちらかでしか把握できないことを意味しています。NiNeのようにセットにならないのは必然性の成立にはコインの裏表として、そうでなくてもよかったはずなのにそうであるしかないはずのものがセットでなければならないからです。なぜならばNだけの機能を持つ世界観の場合、それはすなわち偶然性を持たない神様と同一になってしまい、理念的にはありえたとしても、私たち人間の限界や認識構造からは想定が不可能と考えられるからです。
 またSiSeのみの人間もいません。人間は世界のある種抽象的な外部に何か空間的なものでも時間的なものでも見出すことによって、形而上学的な観念を理解することが可能だからです。もしSだけの心理機能であった場合はそもそもこのようなブログを書くことさえできず、またできたとしてもそれを本質的に理解することができないでしょう。
 よって人間がこの世界を認識する際に重要な組み合わせとしてはNiSeとNeSiの二つの組があることが言えるのです。また、その二つを両方持つということもあり得ません。瞬間的、一時的にならあり得るかもしれませんが、継続的にはこの世界が不変か変化をしているかの認識が成立していないと、安定した世界観を理解できないでしょう。
 これは理屈というよりは要請に近いものかもしれません。実際にそのどちらも同程度に理解できる人もいるのかもしれませんが、哲学的な仮説としてはあり得ないとしたほうが、理論がきれいになるのでここでは、この二つのセットが混ざることはないとしておきます。