バイオリン

MBTIやエニアグラムに関する哲学的な考察及び、日々考えたことについて

MBTIの哲学的基礎づけ(2)心理機能全体像

心理機能 

 心理機能とはどのように世界が存在し(存在論)、どのように世界を認識するか(認識論)を決定する極めて基礎的な因子であるとここでは考えます。心理機能を列挙すると、Ti,Te,Fi,Fe,Ni,Ne,Si,Seの8つになります。ここで存在論に対応するのが心理機能の中でも知覚機能と呼ばれるNi,Ne,Si,Se、認識論に対応するのが判断機能と呼ばれるTi,Te,Fi,Feとなります。簡単に言うと我々の外界の生の情報を知覚するのが知覚機能で、それを加工するのが判断機能となっています。


知覚機能

 存在論は存在に関して問う哲学の一部門であり、具体的に存在している人や物またはその性質ではなく、その存在そのものの成立原理や様態を考えます。このような具体や性質ではない=構造を持たないものについて言及しているため、基本的には存在そのものに関しての言語化は難しいと考えられます。また、知覚機能Ni,Ne,Si,Seに関しても一般的な心理機能の説明を見る限り、構造を持っているというよりは環境または人間の内側から経験されるあいまいな知覚の束に関する記述になっています。

 よって抽象的には、知覚機能とは構造を持たないものに関する機能だということが把握できます。また、極限的には構造を持たないならば言語化することも不可能と考えられます。言語化とはある種、本来ならばリンゴとメロンを区別する必要性がなかったにもかかわらず、その境界線上で切り分けて認識することです。構造がなければそもそもあらゆる区別や境界線がないことになるので、言語化以前の世界を切り分けない情報をそれがなんであるかを判断せずに、一次的に知覚するという機能が知覚機能に該当するでしょう。


判断機能

 認識論は世界をどのように我々は認識=構造化するかに関して哲学をするものだと考えられます。私たちの外または内にあるものが本当はどう存在しているのか?を問うのが存在論だとしたら、私たちは外界の情報をどのように調理や料理をして切り分け、認識しているかを問うのが認識論です。

 認識の仕方はそれすなわちどのように世界を切り分けていくかということと直接つながるので、言語の問題になってきます。言語を用い、あらゆるものの差異を把握することで、あらゆる構造を認識しているのが人間です。よって、認識以前の知覚をどのように構造化=判断するかといったことに関する機能がMBTIの心理機能における判断機能に該当すると考えられます。


性格タイプの決定の仕方

 性格タイプとはどのように世界が存在していると感じ、どのように世界を認識=構造化しているかの組み合わせで決定すると考えます。つまり、知覚機能と判断機能の組み合わせである種のクアドラと呼ばれる性格グループを構成します。このクアドラというのは心理機能の並び順を無視して、組み合わせが同じ性格グループのことです。

 この性格グループ=クアドラには4つの性格タイプがありますが、同じクアドラに属する限り、どんなに外見上異なった振る舞いをしていたとしてもその根本的な世界に対する哲学的な立場は同一であると考えられます。このように世界に対する極めて原理的で、哲学的な立場から性格を分類するものがMBTIを哲学的に基礎づけるという解釈となります。


心理機能全体像

 以下に今後説明する心理機能の全体像を論点先取り的に示しておきます。今後詳細な心理機能ごとの説明などは行いますが、初手で全体像を示しておくのは有意義でしょう。

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知覚機能図

   必然性  偶然性
変化  Ne            Si

不変     Ni             Se

判断機能図

    有限(観測者)  無限(対象)
固有性 Fi            Te

一般性    Fe           Ti
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図式化すると上図です。以下はその対応関係を文字にしたものです。

 変化×必然性=Ne
 変化×偶然性=Si

 不変×必然性=Ni
 不変×偶然性=Se

 固有性×有限=Fi
 固有性×無限=Te

 一般性×有限=Fe
 一般性×無限=Ti

抽象的でわかりにくいかもしれませんが、今後詳細は説明しようかと思います。