バイオリン

MBTIやエニアグラムに関する哲学的な考察及び、日々考えたことについて

MBTIの哲学的基礎づけ(1)導入

 MBTIに関して、ある性格タイプがどのような特徴を持っているかや、タイプ同士の相性、また、心理機能の意味については多くの議論がなされています。

 しかし、そもそもなぜMBTIの心理機能が8つあるのか、また、そもそも思考Tや感情Fとは一体なんなのかをゼロベースから統一的に基礎づけている議論はあまり見かけないため、気になって考えたことをまとめてみます。あくまで1個人の意見ではありますが、私なりに整合性のある形でまとめてみました。


 MBTIのルーツはユングの類型論にあり、彼が8つの心理機能という概念を考え出しました。その8つの心理機能を考え出した彼は精神科医であり、彼は科学的に立証が困難であったとしてもその心理機能の傾向はある程度の普遍性をもって、人間の行動パターンに表れているのだと考えていたのだと思います。


 そこで私は心理機能に哲学的に普遍性があると仮定した場合に、どのような展開があり得るかをここで示したいと思います。ここで哲学的に普遍性があるとは、心理機能やMBTIを単なる人間の性格や行動パターンを記述するものだと考えるのではなく、どのように世界が存在し、またその世界をどのように認識するかという形而上学的な枠組みを提供するものとして解釈するということです。


 また、そのような枠組みは基本的に脳の器質的構造や人間の具体的な器官や文化にひとまずは影響されないと考えられます。よってこの議論は実験や検証をすることが可能な科学の体をなしておらず、反証不可能な思弁的な考察となることは免れません。


 しかし、一度原理的に世界が科学的にどのようになっているかということを脇に置き、人間の性格類型論に類するものを哲学的に考えることで、新たな解釈や方法論を提供することはできると考えます。
 
 ユングの心理機能について哲学的に迫った考察をしている文献はあまり見かけたことがないので、上記のモチベーションの元、考えた結果をブログに書きたいと思います。